解説
禅師峰寺は太平洋のうねりが轟く土佐湾の海岸に近い標高82mの峰山の頂上にあることから、峰寺(みねんじ)さんと呼ばれ親しまれている。本尊の十一面観音は、弘法大師が海上の安全を祈願して刻んだものといわれ、古くより「船魂観音」として、漁師や船乗りたちの信仰を集めている。土佐藩主・山内一豊も参勤交代の航海安全を祈願したという。仁王門の金剛力士像は、鎌倉時代の仏師、定明の作で国指定重要文化財に指定されている。堂宇はこぢんまりと肩を寄せ合うように建っているが、境内は樹木におおわれ、奇怪な岩石が多く、幽寂な雰囲気を漂わせている。