解説
屋島は高松市の東、標高293mの火山台地の半島で、源平合戦の古戦場で有名な景勝地である。寺はその山頂にあり、車遍路の場合、屋島ドライブウェイを瀬戸内海の風光を愛でながら山頂へと向かう。
屋島寺は、天平勝宝のころ鑑真和上によって開創されたと伝えられる。和上がお堂を建てたは東大寺に船で向かう途次、屋島の沖で山頂から立ちのぼる瑞光を感得され、屋島の北嶺に登った。そこに普賢堂を建てて、持参していた普賢菩薩像を安置し経典を納めた。のちに弘法大師が、北嶺にあった寺を南嶺に移し、十一面千手観音像を彫造して霊場と定めた。入母屋造りの本堂は鎌倉時代後期に建てられたもので、本尊とともに国の重要文化財に指定されている。本堂右奥の蓑山大明神は、四国狸の総大将「太三郎狸」を祀っていて、鳥居が並ぶ前の大きな狸の石像が微笑ましい。