解説
37番岩本寺から土佐湾に沿って約90?の道のりは「足摺サニーロード」の愛称を持つ四国地方有数の観光国道を利用して、四国最南端の足摺岬に立つ38番金剛福寺へ。歩くお遍路だとここにたどり着く旅は壮絶を極める徒歩約30時間、3泊4日はかかり、四国霊場の札所間では最長距離、まさに「修行の道場」である。
国立公園の足摺岬を見下ろす丘の中腹にある四国有数の広さを誇る境内には諸堂がたち並んでいる。「補陀洛」はインドの南部のポータラにある観音浄土のことで、紀州の熊野那智と室戸岬、そして足摺岬が補陀洛信仰の聖地だ。三面千手観世音菩薩像は、熊野補陀洛山寺と同様で、熊野と縁が深い。本尊の千手観音は、正月3が日など、年に3回ご開帳される。この地は四国でも最も春の訪れが早く、2月になれば群生するヤブツバキが咲き始める。また、大師因縁の「足摺七不思議」といわれる遺跡が、岬の突端をめぐるように点在している。